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Original Research Articles
Volume 1 Issue 3 Pages 84-88

Laparoscopic versus Open stoma creation: A retrospective analysis

和訳版Abstract 目的
本研究では開腹人工肛門造設(OS),または腹腔鏡下人工肛門造設(LS)において,手術時間,出血量,経口摂取開始時期,合併症などの後方視的な検討を行った.さらにLS群については多孔式(multiport LS),単孔式(SILS)での比較検討も行った.
方法
2014年4月から2016年4月までの2年間で人工肛門造設術が施行された50症例について,患者背景や診断,手術時間,出血量,経口摂取開始時期,手術手技,合併症などに関して検討した.
結果
出血量はLS群がOS群と比較し有意に低い結果となった.また手術時間や経口摂取開始時期に関して差は認められなかった.人工肛門周囲皮膚のトラブルはOS群で11例(47.8 %),LS群で5例(18.5 %)であった.またmultiport LS群とSILS群において,手術時間や出血量,経口摂取開始時期に差は認められなかった.
結論
LSはOSと比較して出血量の減少に寄与する可能性があり,また腹腔内の観察や組織の生検が可能である点でも有用なアプローチであると考えられた.SILSは腹腔内観察後に人工肛門造設位置を変更することができないが,回腸瘻造設症例など人工肛門の位置が定まった症例に対しては有用な方法であると考えられる.