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Case Report
Volume 7 Issue 2 Pages 135-138

Laparoscopic Observation of Adhesive Rectal Fixation after Gant-Miwa-Thiersch Procedure for Rectal Prolapse: A Case Report
(Gant-Miwa-Thiersch手術後の直腸後腔の癒着を腹腔鏡で観察しえた直腸脱の1例)

和訳版Abstract 我々は、直腸脱に対するGant-Miwa-Thiersch手術(GMT)後の直腸間膜内CT値が高値となることから、炎症が直腸固定に関与するという仮説を立てた。今回、この仮説を支持する症例を経験したので報告する。症例は79歳、女性。既往歴に脳卒中、変形性脊椎症、排便時には過度にいきむ習慣がある。長さ10cmの直腸脱に対してGMTを施行。Thierschに用いた糸の緩みから術後3週で再発した。Thiersch手術を追加するも再々発を来したため、GMTから17週間後に腹腔鏡下直腸固定術を実施した。直腸授動に際し、直腸後腔に顕著な浮腫と粗な膜状の癒着が観察された。GMTの13週間後に行った直腸間膜のCT値は、皮下脂肪と比較して後方で有意に上昇していた (P < 0.05)。 これらの所見は、GMT後の直腸間膜後方への炎症の拡大が、直腸後腔での癒着を強化する可能性があることを示唆するものと思われた。