J-STAGEでJARCを見る
検索(複数の項目で絞り込みが可能です)

 リセット(戻る)

Original Research Articles
Volume 1 Issue 4 Pages 125-130

Short- and long-term outcomes following laparoscopic palliative resection for patients with incurable,asymptomatic stage IV colorectal cancer: A multicenter study in Japan
(症状のない非治癒切除StageIV大腸癌における腹腔鏡下原発巣切除術
<大腸癌研究会プロジェクト研究>)

和訳版Abstract 【はじめに】治癒切除不能StageIV大腸癌において腫瘍関連症状がない場合、化学療法を行うのが原則である。しかし最近では安定的な化学療法施行あるいは、予後改善を目指して化学療法に先立ち原発巣切除が行われる場合がある。現在palliative surgeryにおける腹腔鏡下大腸切除の有用性は確立していない。【対象と方法】大腸癌研究会プロジェクト研究「Stage IV 大腸癌に対する腹腔鏡下手術の意義」において2006~2007年までの無症状の非治癒切除大腸癌に対して原発巣切除をおこなったstage IV結腸・直腸癌398例を対象とした。腹腔鏡群(LAC)、開腹群(OC)において治療成績を比較検討した。【結果】LAC 群106例と開腹群292例であった。開腹移行率は14例 (13.2%)、LAC群はOC群と比べ、術後合併症において差は認めなかったが、術後在院日数、食事開始までの日数 (p=0.001)において有用であった。生存期間中央値はLAC群とOC群それぞれ24.5ヶ月、23.9ヶ月であった (p=0.0357)。【結語】StageIV大腸癌に対するpalliative surgeryとしての腹腔鏡下手術は、長期成績において開腹手術と同等以上であり、かつ短期成績においてless toxicであった。