和訳版Abstract | 目的:大腸癌術後静脈塞栓症(VTE)予防に対するフォンダパリヌクス(FPX)投与と出血性合併症との相関を検討した。 方法:2009年1月から2014年5月の間に、当院で周術期に下肢間欠的空気圧迫法およびFPX併用のVTE予防を行った大腸癌切除症例(n=546)を対象とした。患者背景や手術因子等と出血性合併症との相関を単変量および多変量解析にて検討した。 結果:出血性合併症を29例(5.3%)で認め、その内1例が大出血(内視鏡的止血術を要する吻合部出血)であった。単変量解析の結果、性別や術前血小板数、手術アプローチ、術中出血量は危険因子ではなく、年齢≧80歳、BMI≧25kg/㎡、高血圧症、抗凝固薬内服が危険因子であった。多変量解析の結果、年齢≧80歳(HR : 5.81,95%CI : 2.50-13.28)のみが有意な危険因子であった。 結論:FPXを用いた大腸癌手術後VTE予防における出血性合併症の危険因子は、80歳以上の年齢であった。 |
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