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Original Research Articles
Volume 8 Issue 4 Pages 356-364

Significance of Lateral Pelvic Lymph Node Dissection in Resectable Stage IV Low Rectal Cancer: Experience from a Single Center in Japan

和訳版Abstract 目的
切除可能StageIV下部直腸癌症例に対する骨盤内側方リンパ節郭清(LPLND)の意義を検討する。
方法
2007年から2022年の間に原発巣切除を受けたStageIV低位直腸癌56人のうち,姑息的手術16例を除いた根治的手術40例を解析した。
結果
遠隔転移臓器は肝臓が30例(75.0%)と最も多く,次いで肺が9例(22.5%)であった。7例(17.5%)が多臓器転移であった。40例中5例がcT1bN0またはcT2N0で,8例が非腫瘍因子でLPLNDを受けず,最終的に27例(67.5%)がLPLNDを受けた。15例(全40例の37.5%,LPLND施行27例の55.5%)にLPLN転移を認め,6例(15.0%)が両側転移,6例(15.0%)がLD3転移であった。8例(20.0%)が局所再発(LR)を来した(5年LR率:22.3%)。術前化学療法,術後化学療法は各12例(30.0%),26例(65.0%)で,最終的なR0切除率は23例(57.5%)であった。23例中12例(52.2%)が遠隔転移を来した。全患者の5年OSは42.4%であった。
結論
高いLPLN転移率はStageIV下部直腸癌におけるLPLN管理の重要性を示唆している。一方,R0切除率とOSには改善の余地があり,それはこのコホートにおける全身疾患としてのLPLN転移の側面を示唆している。