和訳版Abstract | 【背景】 大腸癌の腹膜播種は予後不良因子の1つであるが,切除による予後改善の報告がある。限局した転移で過大侵襲とならない切除であれば原発巣と同時に腹膜播種切除することは推奨されている。大腸癌同時性腹膜播種のR0切除例において臨床病理学的特徴および予後に関して検討する 【方法】 大腸癌同時性腹膜播種250例を後方視的に検討した。原発切除せず,ストマ造設やバイパス術を施行した非切除症例(N群)32例,原発切除のみの症例(P群)164 例,R0切除症例(R0群)54例を検討した。 【結果】 R0群の3年全生存率(OS)は57.2%で,R0群は他の群と比較して優位に良好なOSであった(p<0.0001)。また,R0群の5年無再発生存(RFS)は26.5%であり,R0切除例のRFSにおける多変量解析では,腹膜転移数と手術アプローチが独立した予後因子であった。腹腔鏡手術群の5年RFSは開腹手術群と比較して良好であった(p = 0.0044)。 【結語】 大腸癌同時性腹膜播種における腹膜播種切除は,長期生存が得られる可能性がある。また,R0切除症例の腹腔鏡アプローチは有効である可能性がある。 |
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