和訳版Abstract | 日本では2022年9月に,大腸悪性腫瘍手術において手術支援ロボットである“ダビンチSPサージカルシステム(dV SP)”が薬事承認された。dV SPは,1か所の切開創から挿入可能なアームに,3本の鉗子と1つのスコープが備えられている。症例は88歳の女性で,下血を主訴に当院を受診した。当院での精査の結果,下行結腸癌 (cT3N0M0, cStage IIa)と診断された。本症例では,アクセスポートキットを用いて,dV SPによるロボット支援結腸左半切除術を施行した。3cmの縦切開を臍部に行い,この創にアクセスポートキットを装着した。この臍部を用いた手術創のみで,dV SPを用いて直腸から結腸までの授動とリンパ節郭清を行った。今回,我々はdV SPによるアクセスポートキットを用いた世界初の下行結腸癌手術を経験したので報告する。 |
---|