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Case Report
Volume 8 Issue 4 Pages 417-422

Tumor Cell Implantation from an Oral Advanced Cancer at the Rectal Endoscopic Submucosal Dissection Site: A Case Report and Literature Review

和訳版Abstract 我々は直腸Raの内視鏡的粘膜剥離術後潰瘍に口側のRSの進行癌がimplantationしたと思われる症例を経験した。
症例は60歳代男性で血便の精査目的にて大腸内視鏡検査を施行し,RSに2型進行癌,Raに50mm大の顆粒型側方発育型腫瘍を認めた。まずはLST-Gに対してESDを施行し治癒切除が得られた。1か月後にRSの進行癌に対して腹腔鏡下高位前方切除術を行った。病理診断ではpStage IIIAであり,術後補助化学療法を施行した。約7か月後の大腸内視鏡検査にてESD瘢痕上に再発病変を認めたため,マイルズ手術を施行した。それぞれの腫瘍のRAS変異パターンを解析したところ,RSの進行癌と再発病変のRAS変異パターンが一致しRSの進行癌によるRaのESD後潰瘍へのimplantationと診断した。
大腸腫瘍内視鏡治療後のimplantationについて自験例も含めて10症例の文献レビューを行った。口側の進行癌から肛門側のESD後潰瘍にimplantationした症例が多く,また直腸の症例も多かった。Implantationの予防のためにはESD後の十分な洗浄および潰瘍の縫縮が有効かもしれない。