和訳版Abstract | 目的:ステージ II/III 直腸癌長期予後予測において、新たなカットオフ値を用いた術前または術後の癌胎児性抗原 (CEA) のどちらがより最適であるかを検証し、CEA 値に基づく術後補助化学療法 (POAC) の有効性を検討した。 方法:血清 CEA 値は、術前と術後(約1か月)の2回測定した。受信者動作曲線下面積を用い、無再発生存率 (RFS)をエンドポイントとして CEA のカットオフ値を求めた。術前後CEA 値を用いた評価の優位性の比較には、赤池情報量基準 (AIC) を算出して検討した。 結果:対象はステージ II/III 直腸癌根治切除323 例であった。術後CEA値 をカットオフ値2.3 ng/mlで分類すると AIC値が最小となり、RFS がより適切に層別化された。ステージ III /高リスクのステージ II において、術後CEA値が2.3 ng/ml 以上の症例では、POAC施行群の方が非施行群よりもRFSが良好である傾向を認めた (p=0.06)。 結論:術後CEAにおけるカットオフ値2.3 ng/mlは、ステージ III /高リスクのステージ II直腸癌におけるPOACの適応決定に有用である可能性がある。 |
---|