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Review Article
Volume 3 Issue 2 Pages 53-59

Is fixed short-course antimicrobial therapy justified for patients who are critically ill with intra-abdominal infections?
(重症腹腔内感染治療においても短期間抗菌薬治療は妥当か?)

和訳版Abstract 腹腔内感染(IAI)に対して従来7~14日の治療が行われてきたが、適切なsource controlが行われた場合、感染所見改善後2日間までの治療群と、4日間の固定投与群を比較したランダム化比較試験 (RCT)で、SSI、再発、または死亡の発生率に差を認めなかったことが報告された。しかしこの報告では84%がAPACHE II スコア <15 であり、一方、虫垂穿孔性腹腔内感染は15%に留まっていた。つまり重症例や虫垂炎による軽症例における適切な投与期間は4日間以外の可能性が考えられた。虫垂炎による複雑性IAIに対する、手術後の抗菌薬投与期間が3日と5日を比較したRCTで、IAI再発を含む術後感染性合併症で差のないことが報告された。重症患者では、8日と15日を比較したRCTで再手術や死亡率に差が認められなかったことが報告されたものの、エビデンスは限られている。以上のことからIAIに対する適切な抗菌薬投与期間は虫垂炎などの軽症IAIでは3日間、虫垂炎以外の中等症IAIでは4日間が推奨される。APACHE IIスコア≧15、sepsis/septic shock、血流感染合併例では治療反応性を参考に、経過良好例では7日間治療が勧められている。