一般社団法人 日本大腸肛門病学会

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学術集会・セミナー

[抄録]直腸cT2/T3癌の外科手術の基本と最前線

最終更新日: March 25, 2022

第31回日本大腸肛門病学会教育セミナー

Ⅰ.内科・放射線科・病理科・その他(Ⅰ)
下部直腸癌に対する低侵襲治療の基本と最前線

3.直腸cT2/T3癌の外科手術の基本と最前線
   国立がん研究センター中央病院 大腸外科
   塚本 俊輔

 下部直腸癌では,cT2は癌が固有筋層まで浸潤しこれを越えていない,cT3は癌が固有筋層を越えて浸潤し外膜までにとどまる,と定義される.これらの癌には,再発リスクが低いものから高いものまでが幅広く含まれる.以前より治療法の決定にはTNM分類が使用されているが,近年は術前MRIを撮影することによって詳細なリスク分類が可能となった.cT2/T3下部直腸癌に対しては,本邦では外科切除が標準治療とされており低侵襲手術が主流となっている.欧米ではcT2N0に対しては外科切除単独だが,その他は周術期治療を外科切除に組み合わせることが多い.従来の周術期治療は化学放射線療法(CRT)が主であったが,近年では全身化学療法を組み合わせたTotal Neoadjuvant therapy(TNT)も行われている.CRTやTNTによって原発巣が消失した場合は手術を行わないWatch and Waitも選択肢となっており,治療はますます多岐にわたっている.本教育セミナーではその基本と最新の知見について解説する.

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