日本大腸肛門病学会理事長挨拶
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一般社団法人日本大腸肛門病学会 理事長 宮島 伸宜 |
令和元年10月11日付けで、日本大腸肛門病学会理事長を拝命いたしました聖マリアンナ医科大学東横病院、消化器・一般外科の宮島伸宜でございます。昭和15年3月に「日本直腸肛門病学会」として発足いたしました歴史ある本学会は、多くの先輩の先生方のご尽力によって発展してまいりました。このような伝統ある学会の理事長を拝命いたしますことは、私にとりまして身に余る光栄に存じますとともに重い責任を感じております。もとより浅学菲才の身ではございますが、学会の使命、重要性を一層内外に浸透させるべく理事、監事、評議員の先生方と協力し、会員の先生方のご期待に沿える学会とするべく全力を傾注する所存でございます。
日本大腸肛門病学会は下部消化管学に特化した学会として複数の科を横断しつつ同じテーマについての臨床、研究、教育を行う学会として長い歴史を誇って参りました。個人的にも、消化器・一般外科に所属しながら、肛門科の先生の技術の教えを請い、内科の先生に分からないことを伺いに行った記憶があります。本学会は平成30年度では6600名を超える会員を擁しています。本学会がさらなる発展を遂げるために、大腸肛門病専門医の位置づけと改革、評議員制度の見直し、会員数増加、学会の国際化などの課題に取り組んで参ります。一方、一般化しており臨床で有用である手技などの保険収載を推し進めることも必要だと考えます。
本邦においては人口の減少が叫ばれていますが、大腸癌罹患数は癌罹患患者の第一位をとることが予想されています。また、炎症性腸疾患罹患患者数も増加しています。肛門疾患罹患数も増加しており、大腸肛門病のニーズは増加しており、大腸肛門病学に携わる医師のみならず、メディカルスタッフへの期待は大きいものと考えます。本学会は内科、放射線科、病理、外科、肛門科が一堂に会し、協力しながら一つのテーマについての議論を行い、相互理解を深めることができる学会です。これらの魅力を内外に示すことは本学会に与えられた責務です。
本学会も国際化を目指す必要があります。平成29年には英文機関誌であるJournal of the Anus, Rectum and Colonが創刊されました。令和元年9月にPMC掲載が開始されました。今後はインパクトファクターの取得に向けた努力を行って参ります。邦文誌と英文誌の住み分けをあきらかにして両者の発展を目指します。また、海外の大腸肛門病学に関する諸学会とも連携を深め、学会員の相互訪問や発表などを行っています。今後もこれらの事業を深めていく必要があると考えます。
本学会がさらに発展するためには、会員の先生方のご理解とお力添えがなくてはならないものであることは言を俟たないことです。先生方におかれましては、本学会に対する忌憚のないご意見を頂戴したいと存じます。
今後とも、ご指導、ご支援の程をお願い申し上げ、簡単ではございますが、ご挨拶とさせて頂きます。