一般社団法人 日本大腸肛門病学会

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学術集会・セミナー

[抄録]ゲノム医療で変わる大腸癌診療

最終更新日: March 25, 2022

第31回日本大腸肛門病学会教育セミナー

Ⅱ.外科(Ⅱ a)
大腸外科領域における最新トピックス

1.ゲノム医療で変わる大腸癌診療
   九州大学大学院 消化器・総合外科
   沖 英次

 進行大腸癌では,これまで行われていたRAS 遺伝子検査,MSI 検査などのコンパニオン診断検査の他,遺伝子を網羅的に解析するがんゲノムプロファイリング(Cancer Genome Profiling:CGP)検査が行えるようになってきた.薬剤の中には,CGP 検査でしか適応の判断ができないものがあり,検査の時期を逸さないことが重要である.
 最近では,これまでの組織を使ったゲノム検査に代わり,血液を使いctDNA(血中微量遊離がん由来DNA)を検出するCGP 検査も可能になっている.このctDNA は,薬剤選択のためのCGP 検査のほか,微量残存癌細胞(minimal residual disease:MRD)を発見するためにも利用される.たとえば外科領域で
は,根治切除後のがんの鋭敏な再発モニタリングや,術後の補助療法の要否の決定などに利用することができる.現在世界中で検証的試験が行われている.

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