第33回日本大腸肛門病学会教育セミナー

Ⅰ．内科・放射線科・病理科・その他（Ⅰ）
　　大腸癌診断・治療に関する知識をupdate する

1. スクリーニング大腸内視鏡～病変検出からマネジメントまで～
　　東邦大学医療センター大森病院　消化器内科
　　松田　尚久

　近年，スクリーニング大腸内視鏡検査における的確な病変拾い上げ（検出）に関する様々な試みが行われている．NBI/BLI/LCI/TXI 等のImage-Enhanced Endoscopy：IEE やAI を用いた検査が実際に行われるようになってきたが，「Post-colonoscopy colorectal cancer（PCCRC）：内視鏡検査後発生大腸癌」は未だ課題として残る．また，病変の質的診断・深達度診断における色素拡大内視鏡診断（pit pattern 診断）の有用性は揺るぎないが，NBI をはじめとしたIEE 拡大診断についても，pit pattern 診断と比べより簡便な診断モダリティーとして幅広く用いられている．本セミナーでは，PCCRC の臨床病理学的特徴，PCCRCを減らすためのスクリーニング大腸内視鏡検査のあり方に加え，径10mm 未満の小型大腸ポリープに対する内視鏡診断およびマネジメント法について概説する．