第33回日本大腸肛門病学会教育セミナー

Ⅰ．内科・放射線科・病理科・その他（Ⅰ）
　　大腸癌診断・治療に関する知識をupdate する

2．大腸腫瘍に対する内視鏡治療の知識をupdate する
　　群馬大学医学部附属病院　光学医療診療部
　　竹内　洋司

　大腸内視鏡による大腸癌スクリーニングの社会全体に対するインパクトは限定的である可能性があるが，発見された大腸腫瘍に対する内視鏡切除は大腸癌の発生及び死亡の抑制に効果的である．内視鏡治療は有害事象を伴う可能性もあるため，その効果とリスクを常に考えて，治療の是非，治療法を選択する必要がある．長年，ポリペクトミーおよび内視鏡的粘膜切除術（Endoscopic mucosal resection：EMR）が標準的に行われてきたが，近年，より偶発症のリスクが少ないと言われるCold polypectomy が急速に普及し，より治療効果が高いと期待されるUnderwater EMR やTip-in-EMR なども広まり，さらに内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD）も様々な工夫により多くの施設で実施されるようになってきている．最良の医療を提供するために，新規内視鏡治療法の知識をupdate していただきたい．