第35回日本大腸肛門病学会教育セミナー
Ⅰ.内科・放射線科・病理科・その他(Ⅰ)
テーマ: Common Disease の最新知見
1.大腸憩室出血・憩室炎の最新知見
藤森俊二先生(日本医科大学千葉北総病院 消化器内科)
大腸憩室の増加傾向に伴い憩室炎・憩室出血も増加している.大腸憩室には遺伝傾向があり人種差がある.日本人は欧米人より右側結腸憩室が多いが,加齢とともに左側にシフトする.左側結腸憩室炎の方が右側より予後が悪いとされる.米国のコホート研究によれば,憩室炎は憩室出血より約3倍多い.メタ解析で複雑性憩室炎の危険性をNSAIDs が3倍,アスピリンが1.5倍増加させると報告された.また,単純憩室炎に対して抗菌剤の使用は予後に影響せず,抗菌剤は不要ではないかと提案されているが,本邦の研究は含まれていない.治癒していない憩室炎と再発性の憩室炎を集めた解析で,QOLおよび再発率に関して手術が保存的治療より良く,腹腔鏡的手術は特にQOL が良いと報告されている.メタ解析でNSAIDsは6.9倍・アスピリンで2.8倍大腸憩室出血の危険性を増加させると報告された.憩室出血の治療に関しては,クリップ法と比較してEBLの方が優れているとのメタ解析が報告された.

