第35回日本大腸肛門病学会教育セミナー
Ⅱ.外科(Ⅱa)
テーマ: 大腸癌診療のupdate
1.大腸癌周術期感染対策
小林美奈子先生(三重大学大学院医学系研究科 先進医療外科学講座)
大腸手術後のsurgical site infection(SSI)発生率は,厚生労働省院内感染対策サーベイランス(JANIS)の報告では,結腸手術は2015年のSSI発生率は11.5%であったのに対し2025年は7.9%,直腸手術は2015年は14.2%であったのに対し2025年は8.1%と年々減少している.SSI が発症すると,入院日数と医療費は増加し,患者の満足度や医療の質の低下だけでなく,癌の予後そのものに悪影響があることが報告されており,年々減少傾向にはあるものの更なる感染率低下のための対策をバンドルとして行うことが必要である.
術野消毒はアルコール含有クロルヘキシジンもしくはオラネキシジンが推奨され,術前の腸管処置は,経口抗菌薬のみ,あるいは経口抗菌薬と機械的腸管処置の併用が推奨される.筋膜閉鎖時は抗菌吸収糸が推奨され,皮膚は吸収性縫合糸による真皮縫合が推奨される.

