第35回日本大腸肛門病学会教育セミナー
Ⅱ.外科(Ⅱa)
テーマ: 大腸癌診療のupdate
3.直腸癌局所再発に対する治療戦略
植村 守先生(大阪大学大学院医学系研究科 消化器外科学)
直腸癌局所再発(LRRC)は根治手術後に骨盤内へ生じる再発で,TMEや術前治療の進歩にもかかわらず約5~10%の症例に発生している.治療の要はR0切除であるが,腫瘍は浸潤性で十分なマージン確保が必要であり,周囲臓器の合併切除を必要とすることが多い.近年,切除困難例に対して重粒子線治療が保険適用となり有力な選択肢の1つとなった.本稿ではLRRCの概念,頻度,臨床像,分類,非根治的治療の予後,外科治療と要点となる解剖指標を概説する.LRRCは根治的治療がなされない場合の予後は限定的であるため,切除が可能な病変では積極的に切除を考慮する方が良いと思われる.手術では重症合併症や神経障害のリスクを踏まえた適応判断と,上殿動脈,梨状筋,仙腸関節下縁などの解剖学的ランドマークの理解が重要である.

